去る7月28日(水)、防衛省 自衛隊宮城地方協力本部長 諏訪 国重 様を講師に迎え、定例会を開催いたしました。
「自衛隊の災害派遣活動」と題しまして、東日本大震災の発災から丁度10年が経過する現在において、当時を今一度思い起こし、我が身への戒めと皆様への注意喚起になればという着眼のもとご講演いただきました。
災害派遣の枠組みというお話の中では、平成7年1月の阪神淡路大震災をきっかけに法律等の整理見直しがされ、特に、自衛隊の自主派遣が可能となったことが大きいという。
また、近年の災害派遣の件数としては、年間200回~300回の要請を受けており、ほぼ1日1回どこかで活動が行われている状態となっている。
東日本大震災は、マグニチュード9.0、地震、津波及び原子力の災害で、約2万人を救助、約1万人のご遺体を収容、自衛隊の派遣態勢は陸海空の統合任務部隊を編制し10万人規模の活動でした。
発災当時講師は、陸上自衛隊大和駐屯地において駐屯地司令としてご勤務され、当初被害状況が紛糾するなか、登米市、太白区、泉区、女川町、石巻市に順次展開し、最終的には東松島市周辺で捜索任務にあたる等、約100日の災害派遣活動について状況を振り返りながらお話しされるとともに、被害直後と現在の様子を写真で見比べ解説する等、よりわかりやすい内容でした。
更に、心の負担の軽減のため「解除ミーティング」というものを行なっていたことをお話しいただき、同じ年齢や階級で集まったグループ内で、今日あったことや見たことを夜になって語り合い、感情が押えられない者はその場で泣く等、感情の共有によってストレスを発散していたと伺いました。
講師自身も10円玉大の円形脱毛を発症していたそうで、知らず知らずのうちにストレスが溜まっていたと仰ってました。
これまでも震災に関するお話で講演をいただいておりましたが、特に今回は、実際に現場での活動状況を再現したように生々しいお言葉で語られ、また自衛官として使命及び責任感溢れるエピソードは大変興味深いものでした。
国重様、ご多用中のところ貴重な講演を賜り、誠にありがとうございました。