12月次定例会を開催いたしました(2020)

去る12月16日(水)、株式会社 GISI治安情報総合研究所 執行役員   柳澤 幸司 様 を講師に迎え、定例会を開催いたしました。

本講演における講師の肩書は、広く知れ渡っている「航空自衛隊松島基地OB会会長」としてではなく、゛重大な危機が発生する可能性の高い国内外の「現場」へ直接赴いて危機管理コンサルティング・サービスを行う会社役員゛としてご登壇いただきました。テーマは「世界のテロリズムと題しまして、中東の国々で、政府機関・海外進出企業等に対する海外危険地域の治安情報分析及びセキュリティ・コンサルタントをされたご経験において、ご講演いただきました。

テロリズムとは、「恐怖心を引き起こすことにより特定の政治的目的を達成しようとする組織的暴力の行使、特に物理的被害よりも心理的衝撃」と紹介され、テロリストとしては、首謀者は死亡するが後継者がテロをいまだに引き継いでいるという。また、テロ攻撃による死者は世界全体年間約30,000人前後いるとされ、北アフリカと中東地域(大半はイラク、ナイジェリア、シリア、アフガニスタン、パキスタン)での事件が全体の55%だという。

更に、近年のテロの特徴としては、紛争地域ではない都市部のソフトターゲットを狙うテロ事件の増加や、女性や子供、誰でも実行できる刃物や車両によるローテクな攻撃及び、イスラム過激派組織アル・カーイダ、ISIL(イラクとレバントのイスラム国)以外の帰還「外国人戦闘員」による「送り出し国」でのテロリズムの懸念があるという。 

日本においても、「日本赤軍」、「オウム真理教」の事件を紹介していただき、来年日本で開催される ゛東京オリンピック ゛とテロとの関係についても触れていただきました。

今回の講話は、普段聞くことができない内容で、テロ対策は重要な危機管理の要素として認識する良い機会でした。参加者の方々からも、主なテロの事例を再確認し、脅威というものがまだ続いていることについて知ることができ、勉強になったという声を頂戴いたしました。

柳澤様、ご多用中のところ貴重な講演を賜り、誠にありがとうございました。

中東にご滞在の経験をされ、実際にテロ事件にも対応された「柳澤 様」
今年はコロナの影響を受けてからは、現地に行くことができていないと話される講師
講話後の質問も、積極的に発言される参加者の方々
乾杯のご発生は、陸自OBの「TK様」
今月は、サイバーセキュリティ勉強会(ロシア関係)を開催

12月ペンタ会・勉強会開催のお知らせ(2020)

ペンタ会、および宮城県支部勉強会12月次勉強会のご案内

12月次ペンタ会(交流会)と勉強会を来る16日(水)に開催いたします。皆様お誘い合わせのうえ、ご参加をお待ちしております。

日時 令和2年12月16日(水) 17時00分~(※お時間にご注意下さい。)

場所 スマイルホテル仙台国分町3F会議室(仙台市青葉区一番町4-3-22)
※コロナ対策:講師前透明ビニールカーテン、窓等開放による換気、テーブル座席の少数化、個別弁当食、消毒用アルコール設置(マスクの着用をお願いします。)

宮城県支部有志勉強・宮城県支部勉強会・ペンタ会

17:00 宮城県支部有志勉強会

[話 者] 株式会社Sola.com 代表取締役 高橋 洋人

[内 容] サイバーセキュリティ勉強会「12月次サイバーレビュー」

18:00 宮城県支部勉強会

[講 師]  GISI治安情報総合研究所執行役員 柳澤 幸司 様

[テーマ] 世界のテロリズム(仮)

19:00 懇親会【ペンタ会】

※前半、当支部本会メンバーの参加する安全保障についての勉強会(ペンタ会)を挟み、その後、懇親(個別のお弁当)の席となります。【会費:3,500円】

対象者:情報業界、金融機関、安全保障関係機関ならびに官公庁・自治体の危機管理対策ご担当者様や学生の皆様をはじめとして、どなたでもご参加頂けます。

担当:事務局 高橋、水井、伊藤(早) (お問合せはこちら)

11月次定例会を開催いたしました(2020)

去る11月27日(金)、陸上自衛隊 東北方面総監部情報部       情報課長 栗田 千寿 様を講師に迎え、定例会を開催いたしました。

内容は個人の意見としながら、「女性・平和・安全保障についてと題しまして、東ティモールでのPKO活動及びNATO本部で勤務されたご自身の経験を主体としてご講演いただきました。特に、この2つの経験では「人間の安全保障」というものがあるということを知るきっかけになったということで、安全保障の新しい捉え方としてお話をしていただきました。

女性・平和・安全保障は、゛WPS゛(Woman,Peace and Security)と略され、WPSは2000年に国連安保理決議1325号で採択されたことがきっかけとなり世界に広まった。女性・女児は、紛争、災害等が生起した場合、男性・男児と比較し脆弱で死亡する率が高いことが統計的に出ており、不安全状態にあるといわれている。この不安全であるという現状を広く認識し、現状改善するために女性の参画を増やすという内容で、国連加盟国各国で取り組みがされていると解説された。

また、作戦におけるジェンダー視点という話では、前述の解説で女性にはリスクがあという現実の存在を踏まえ、こういったリスクがあるということを見るというのがジェンダー視点である。と、講師は整理していると語り、ジェンダー視点を持つことで作戦を質の高いものに出来るという。日本においても、東日本大震災で女性隊員が女性に対する聞き取りをしている等の活動が行われていた。女性の軍人・隊員には、プラスアルファの役割が果たせる付加価値があるという。

今回の講話では、「WPS」、「ジェンダー視点」というキーワードで「女性にとっての安全保障」という、違った角度でお話を伺い大変興味深いものでした。参加者の方々からも、女性の軍人・隊員の見えないところでの活躍及び各国の取り組み等について知ることができ、勉強になったという声を頂戴いたしました。

栗田様、ご多用中のところ貴重な講演を賜り、誠にありがとうございました。

東北方面総監部情報部 情報課長 栗田 千寿 様
豊富なご経験に基ずく国際的な講話の内容
興味深いお話しに多数の方からご質問がありました。
色々なご質問に対し、真摯に対応下さいました。