去る12月16日(水)、株式会社 GISI治安情報総合研究所 執行役員 柳澤 幸司 様 を講師に迎え、定例会を開催いたしました。
本講演における講師の肩書は、広く知れ渡っている「航空自衛隊松島基地OB会会長」としてではなく、゛重大な危機が発生する可能性の高い国内外の「現場」へ直接赴いて危機管理コンサルティング・サービスを行う会社役員゛としてご登壇いただきました。テーマは「世界のテロリズム」と題しまして、中東の国々で、政府機関・海外進出企業等に対する海外危険地域の治安情報分析及びセキュリティ・コンサルタントをされたご経験において、ご講演いただきました。
テロリズムとは、「恐怖心を引き起こすことにより特定の政治的目的を達成しようとする組織的暴力の行使、特に物理的被害よりも心理的衝撃」と紹介され、テロリストとしては、首謀者は死亡するが後継者がテロをいまだに引き継いでいるという。また、テロ攻撃による死者は世界全体年間約30,000人前後いるとされ、北アフリカと中東地域(大半はイラク、ナイジェリア、シリア、アフガニスタン、パキスタン)での事件が全体の55%だという。
更に、近年のテロの特徴としては、紛争地域ではない都市部のソフトターゲットを狙うテロ事件の増加や、女性や子供、誰でも実行できる刃物や車両によるローテクな攻撃及び、イスラム過激派組織アル・カーイダ、ISIL(イラクとレバントのイスラム国)以外の帰還「外国人戦闘員」による「送り出し国」でのテロリズムの懸念があるという。
日本においても、「日本赤軍」、「オウム真理教」の事件を紹介していただき、来年日本で開催される ゛東京オリンピック ゛とテロとの関係についても触れていただきました。
今回の講話は、普段聞くことができない内容で、テロ対策は重要な危機管理の要素として認識する良い機会でした。参加者の方々からも、主なテロの事例を再確認し、脅威というものがまだ続いていることについて知ることができ、勉強になったという声を頂戴いたしました。
柳澤様、ご多用中のところ貴重な講演を賜り、誠にありがとうございました。